【和蝋燭と洋蝋燭の温度比較】

北川邦行教授(工学博士)と北川研究室、研究員さんのご協力のもと、再度、蝋燭の燃焼温度の測定を行いました。今回は洋蝋燭との比較と、動画を撮りました。

測定方法

可視二色法熱画像システム「VIO」を使用し、800℃~3000℃の高温領域の温度をマッピング。
私の和蝋燭と一般的な洋ロウソクの炎の温度分布を測定致しました。

和ろうそくの炎の温度・ゆらぎ・明るさ・しくみを科学的に解明
名古屋大学エコトピア科学研究所
可視二色法熱画像システム「VIO」
可視二色法熱画像システム「VIO」

北川研究室 燃焼グループ
北川研究室 燃焼グループ

以下に示すFig.1-1とFig.1-2は火炎温度の平均値(℃)の分布画像であり、それぞれ和ろうそくと洋ろうそくを表しています。

Fig.1-1 和ろうそくの温度平均値
Fig.1-1 和ろうそくの温度平均値
Fig.1-2 洋ろうそくの温度平均値
Fig.1-2 洋ろうそくの温度平均値

 和蝋燭は、芯が中空になっているため空気が火炎の中心にも入り(中心の赤い高温) 腰の強い燃焼になってます。

  まず洋ろうそくでは、火炎の外側で高い燃焼温度を示しております。これは、火炎の外側は大気中の酸素と接しているため完全燃焼が起こるのに対し、火炎内側に入ると局所的に酸素が不足する部分ができるために不完全燃焼が起きやすくなり、そのため外側に比べると低い燃焼温度となってしまうと考えられます。
 次に、和ろうそくと洋ろうそくの相違点ですが、和ろうそくでは火炎外側だけでなく、火炎中心の根元でも高い燃焼温度を示しています。これは、和ろうそくはろうそくの中心軸が空洞になっており、その空洞の部分を伝って酸素が芯の部分に供給されるため、芯の付近では完全燃焼が起きて、高い燃焼温度を示したと考えられます。したがって、和ろうそくでは芯が太いことと上記の理由により、腰の強い火炎となり、洋ろうそくより風に対しても消えにくいのだと考えられます。

                                       北川邦行教授

ご覧になる上での注意

 

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