いかりの形の和ろうそく

伝統工芸品である愛知県の三州岡崎和蝋燭は

芯巻き ふり 芯さし つけ 乾燥 削り 下掛け塗り 上掛け塗り 頭部切り 尻切りなどの工程が基本となります

イカリの形の和蝋燭とは上部が広がり中ほどで一度くびれ、裾にむかって再び広がる形式の蝋燭で和蝋燭独特のものです。美しい曲線を出すため、通常の蝋燭より手間がかかります。その姿は安定感があり見るものをホッとさせてくれます。

【準備】
左側が蝋燭の芯
右側が木のくし


【ふり】
竹くし又は、木くしに溶かした木蝋と菜種油を混ぜたものを、芯をさす部分にかけて、後の芯のすべりをよくします。又、竹くし、木くしの抜けをよくするためです。


【ふり】
竹くし又は、木くしに溶かした木蝋と菜種油を混ぜたものを、芯をさす部分にかけて、後の芯のすべりをよくします。又、竹くし、木くしの抜けをよくするためです。


【ふり】
竹くし又は、木くしに溶かした木蝋と菜種油を混ぜたものを、芯をさす部分にかけて、後の芯のすべりをよくします。又、竹くし、木くしの抜けをよくするためです。

木蝋を浮かしているところ。炭火にて溶かします。(九州産の木蝋)


芯の先端に菜種油をつけます。

次に溶かした蝋つける。この作業を2~3回程行います。


【かけ】
全体に蝋をかけます。

【乾燥】
全体を扇風機などで乾燥させます。


広げて蝋燭どうしがくっつかないようにします。

【もみづけ】


【乾燥】
自然に乾かします。

【もみづけ】
これを蝋燭の大きさにより数回から数十回くり返し行います。


【乾燥】

【もみづけが終了】


【削り】
もみづけが終わり乾燥後に表面を包丁にて削り成形します。

【練り作業】下掛用(下塗り)
時間をかけ蝋を練ります。


【乾燥】

練り上がったところに
熱した木蝋を入れます。


上部と下部に下掛けをします。
数回、ある程度の太さまで行います。

【乾燥】


包丁で削りおおまかな形をととのえます。カンナ削りをしやすくするため先端を包丁で削ります。

【カンナ削り】
カンナで表面を削り成形します。
カンナは、蝋燭の大きさによって、10種類使い分けます。


【カンナ】
イカリの形をつくるための特注カンナです。先代より使い続けています。

削られた蝋。この蝋は溶かして再利用します。


カンナ削りが終了したところです。

【下掛塗り】(下塗り)太さにより数十回下塗りをします。


棒ばかりで重さを計ります。棒状の和蝋燭も同じ様に重さを計ります。

下塗りが終了したところです


【上掛用の木蝋】(和歌山産)1枚炭火で溶かします。

練っているところです。


練り上がったところです。

練り上がった上に熱した上掛用の蝋を入れます。


【上掛塗り】

【仕上げ乾燥】
上掛塗りの完成です。


【上部(頭部)切り】
包丁で頭部を切り芯を出します。

【下部(しり部)切り】
寸法をはかり、あたためた包丁で蝋燭を切り揃えます。


【完成】白イカリの形の和蝋燭の完成です。一本一本丁寧に包装します。(蝋燭をいためないようにする為です)

【洗浄】
熱く溶かした蝋の中に、竹くし又は、木くしに附着している蝋を取り除きます。この蝋もまた再生され蝋燭に生まれ変わります。


【燃焼】
油煙がきわめて少なく、柔らかい炎が松井本和蝋燭の証明です。